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2026-07-18 · 限界一浪一留生

英語のリエゾンが聞き取れない——リスニング315→430でやったこと

高2の秋、進研模試の英語偏差値39から音読を始め、2カ月で62、浪人後の全統記述模試では70.5に。大学生になって受け直したTOEICも615点から2カ月で865点まで伸ばした。一浪一留の理系大学生で、今はTOEFL90+を目指して学習中。詳しい経歴と実物の成績

リスニングの答え合わせでスクリプトを見て、「全部知っている単語だった」とがっかりしたことはないだろうか。知らない単語なら、覚えればいい。だが、知っている単語が聞き取れないとなると、何を直せばいいのか分からなくなる。

私もそこにいた。高2の秋、進研模試の英語偏差値39から音読を始めて、読む力は伸びた。リスニングは、対策らしい対策をしてこなかった。受験期の模試では、どちらかといえばリーディングより点数が低く出る傾向があった。転機は、大学院試験のために受け直したTOEICだった。3年近く英語から離れたあとの2カ月、リスニング対策としてやったのは、公式問題集のPart 3・4を繰り返すシャドーイングがほぼすべて。結果は615点から865点、リスニングは315点から430点になった。

このシャドーイングの期間に痛感したのは、文字を見ずに音を追いかけると、自分が聞き取れていない音がはっきりあぶり出されるということだった。そして、落ちた場所をスクリプトで確認すると、そこにあるのは知らない単語ではなく、知っている単語同士がつながって崩れた音——リエゾン(音の連結)を含む音声変化——であることが多い。だからこの記事で伝えたいのは、連結のルールを覚えることより、自分がどの音で落ちているかを特定することが先だ、ということだ。

英語のリエゾンが聞き取れないのは、耳の性能のせいではない

リエゾン(連結)とは、前の単語の語末の子音と、次の単語の語頭の母音がつながる現象だ。"an apple" は「アン・アップル」ではなく「アナポー」に近い音になる。"come on" が「カム・オン」ではなく「カモン」に聞こえるのも同じ仕組みで、mの子音とoの母音がつながっている(カタカナはあくまで近い音だ)。

anapple

語末の子音 n と、語頭の母音 a がつながる

「アポー」

※あくまで近い音

リエゾン(連結)の仕組み。知っている単語が、つながった瞬間に「知らない音」になる

英語の音声変化には、連結のほかにも仲間がいる。

それぞれ別の現象だ。脱落・同化・フラッピングは英語の音が消えて聞こえない——脱落・同化・フラッピングの正体に、弱形は英語の弱形が聞き取れない——TOEIC615→865で覚え直した音に分けて書いた。音声変化の全体像は共通テストのリスニングが難しいのは、単語じゃなく「音」のせいだったに書いた。

なぜ連結があると聞き取れないのか。知っている単語が、つながった瞬間に「知らない音」になるからだ。頭の中の "apple" は「アップル」という音で登録されているのに、実際に流れてくるのは「ナポー」を含む別のかたまりになっている。耳の性能が悪いわけではない。崩れた音と元の単語の結びつきが、まだ頭の中に無いだけだ。

日本語に置き換えると分かりやすい。私たちは「あざっす」を「ありがとうございます」だと、「おなしゃす」を「お願いします」だと一瞬で理解できる。音としては原形をほとんどとどめていないのに聞き取れるのは、崩れた音と元の言葉の結びつきがすでに頭にあるからだ。英語のリエゾンが聞き取れないのは、英語版の「あざっす」をまだ知らない、というだけの状態と言える。

ルールを覚えるより、「自分がどこで落ちているか」の特定が先

リエゾンのルール一覧は、検索すればいくらでも出てくる。だが、ルールを知識として知っていることと、流れてくる音声の中でその音を拾えることは別だ。しかも、すべてのルールで等しく落ちているわけではない。連結は拾えるのに脱落で落ちる人もいれば、特定の組み合わせだけ何度も落ちる人もいる。落ちる場所は、人によって違う。

だから、ルールを上から順に覚えるより先に、自分がどの音で落ちているかを特定したほうがいい。特定さえできれば、練習すべき場所はそこだけに絞れる。

私にとって、その特定の装置になったのがシャドーイング(スクリプトを見ずに、音源の少し後ろを追いかけて真似て言う練習)だった。文字を見ながらの音読と違って、シャドーイングには頼れる文字がない。音に集中せざるを得ないぶん、聞き取れていない音がごまかしようもなく浮かび上がる。拾えなかった音をスクリプトで確認し、できるだけ近い音で真似る。これを繰り返すうちに頭の中で音と単語が結びついて、それまで消えて聞こえていた音の省略が、徐々に拾えるようになっていった。

実践手順——落ちた場所の特定から始める4ステップ

  1. 聞き取れなかった文のスクリプトを見て、落ちた場所に印をつける。確認してみると、知らない単語ではなく、知っている単語同士のつながり目で落ちていることが多い。どの単語とどの単語の間かまで特定する
  2. 落ちた箇所を、区切ってゆっくり音読する。ここで大事なのは、つながった音のまま真似ることだ。"an apple" を「アン」「アップル」と一語ずつ丁寧に読み直すと、実際の音声との結びつきができない。「アナポー」のかたまりのまま、ゆっくり口に入れる
  3. オーバーラッピングをする。英文を見ながら、音源と同時に声を出す。つまずく箇所が減るまで繰り返す
  4. シャドーイングをする。スクリプトを見ずに、音源の少し後ろを追いかけて言う。ここで新しく拾えない音が見つかったら、1に戻って特定し直す

私の感覚では、オーバーラッピングでは速読力が、シャドーイングではリスニング力が伸びる。

TOEICの2カ月、私はこの流れを公式問題集のPart 3・4でひたすら回した。はじめは口が回らないので、文字を見ながら0.7〜0.8倍速の音読から始め、慣れてきたら等倍速に上げ、すらすら言えるようになってから別の日にシャドーイングへ進む。公式問題集1冊分で約10周。その結果が、リスニング315点から430点だった。

よくある失敗

一つ目は、ルール一覧の暗記から入ることだ。網羅的に覚えようとすると、自分が実際には落ちていない音の練習にも時間を使うことになる。順番は逆でいい。先に落ちた場所を特定して、そこで起きている現象の名前をあとから知るほうが、同じ時間で拾える音が増えていく。

二つ目は、一語ずつ丁寧に読み直してしまうことだ。聞き取れなかった箇所を復習するとき、つい単語単位のきれいな発音に戻して読みたくなる。だがそれは「アン・アップル」の音を強化しているだけで、実際に流れてくる「アナポー」との結びつきは作られない。真似る対象は、崩れた音のほうだ。

三つ目は、特定しないまま聞く量だけ増やすことだ。どこで落ちているか分からないまま聞き流しても、同じ場所で落ち続けやすい。1本の音声を、落ちた場所を潰しながら仕上げるほうが、10本をぼんやり流すより変化につながる。

Script Flowでやっていること

この「特定してから、つながった音のまま真似る」流れをアプリにしたのがScript Flowだ。英文を貼るか写真で撮ると、AIが約60秒で意味のかたまり(スラッシュ)に区切った教材にしてくれる。区切りごとにゆっくり再生できるので、落ちた箇所だけを取り出して繰り返す練習がしやすい。再生速度も0.75倍から段階的に上げられる。

Script Flowのスラッシュ再生画面。意味のかたまりごとに区切られた英文を、区切り単位でゆっくり再生できる
意味のかたまりごとの「区切り再生」。落ちた箇所だけを取り出して繰り返せる

特定の部分は、マーク一つで済むようにした。聞き取れなかった文に「聞き取り」マークをつけると、その文のどこで連結や脱落が起きているかを、発音記号・口の形・カタカナの近い音つきでAIが解説してくれる。マークが溜まってくると、教材をまたいで、自分がどの音で落ちやすいかの傾向も見えてくる。

共通テスト・英検2級・TOEIC・TOEFLのプリセット教材が入っているので、登録不要・無料で今すぐ試せる。まずは1文でいい。自分がどの音で落ちているのかを、確かめるところから始めてみてほしい。

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